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超高層建築の世界#3 香港環球貿易広場

更新日:2020年4月11日


SKYSCRAPER’S WORLDへようこそ


管理人のBKBこと、かわさきです。



このブログでは世界の超高層建築を紹介していきます。



早速ですが、今日ご紹介するのがコチラ


香港環球貿易広場

前回ご紹介した広州周大福金融センターと同じ、

コーンペダーセンフォックスアソシエイツの設計です、英語名ではHongkong international commerce centerと言います。

現地の名前から直訳すると、香港ワールドトレードスクエアかな?とおもったらちょっと違いましたね。


そんな、香港環球貿易広場は484m118階建ての超高層複合ビルです。2002-2010


これは世界12位の高さで、香港では1位です。

さらに香港で2位の超高層建築は第2国際金融中心two international finance center416◆m1996-2003です。

第2ということはもちろん第1国際金融中心もほど近くにあるのですがこちらも39階210◆mの高層建築で1999年に完成して周辺を含む香港の国際金融センターで最初に開業しました。


ビクトリアワーフを挟んで対岸には国際金融中心、international finance centerがあり、こちらは最高高さが420m. 93階※シーザーペリ

2つの400m越え建築が両岸を挟んでそびえ立つ景色は言ってみれば大きな門のようで、この景色はまさしく香港の象徴といって良いでしょう。



※元々、som設計の予定だった、高さが計画変更になった等、遍歴多数あり

2000年当初の計画だと574mの高さで当時で言えば世界一位の高さになる計画だった。

また、この計画は以前ご紹介したアメリカの組織設計事務所SOMが設計を担当していました。

※ブルジュハリファが計画段階で高さを公表せずに工事を始め、2004年から2010年にかけて工事を進め828mの高さになった※設計はSOM



この環球貿易広場のある一帯はユニオンスクエアと呼ばれています。

このユニオンスクエアというのは、香港の西九龍地区と呼ばれるエリアの再開発で誕生したエリアです。


主に商業・オフィスビルと住居=レジデンスエリアとして開発が進められましたがその総開発面積は13.54ha, これは東京ドーム約3個分に相当します。

ロンドンのキャナリーワーフの再開発事業, 建築界隈ではドッグランド再開発なんて言われますけれどもこれと同程度の開発面積、つまり世界最大級の再開発プロジェクトであるということが言われています。


またユニオンスクエアは九龍駅を含む7つのパートから構成されていて、今回紹介している環球貿易広場は九龍7期, 7番目の開発・工事着手という形で進められ、最終的に現在の名称である環球貿易広場に改名されたという経緯があります。


こちらの詳細についてはYouTubeで取り上げたいと思いますのでよければまた動画をご覧いただけたら嬉しいです。


ちなみにこのユニオンスクエアの開発というのは

高速道路の建設や香港国際空港につながる高速鉄道の開設のために敷地南側のヴィクトリアワーフの土を埋め立てに使うという方法がとられたようです。

海を掘って陸を作る、非常に大がかりなプロジェクトですね。





さて、では続いてお待ちかねの環球貿易広場のデザイン、中身の構成に移ります。


◯構成

香港環球貿易広場は主に商業施設、オフィスとホテルから構成されます。


低層部分はショッピングモールのようなテナントスペースがあり、中層階がオフィスとそして高層階、間100階部分の展望台を挟んでホテルが配置されています。


・上層15階 リッツ

これが今回香港環球貿易広場を紹介するきっかけになった元世界一高いところにあるホテル、でした。


・sky100

100階部分の展望台はsky100, 漢字では天の際と書いて天際100といいます。

まさしく天の果てに迫るように高さを感じる展望台は

香港ではじめての観光用展望台ということでも2011年4月の開業の際には注目を集めました。


高さ393メートルの高さにある展望台は360度ぐるっと見渡すことができ、香港島、九龍の街並みを見渡すことができます

101階, 102階はレストランフロアになっていて

一流の食事を雲の上で取ることができる、

そんな夢のような空間が広がります




◯デザイン、形状の特徴

外観デザインや全体の形ですが、香港環球貿易広場は

上に向かって若干の先細りがありながら

遠くから見ると東西南北それぞれの面がツルッとしていて角がビシッと揃った非常にスタイリッシュな箱型の超高層ビルです。


また、南側、北側立面は緩やかなカーブを描いていて、ドラゴンテール=竜のシッポと呼ばれているそうです。

特に北側はそのまま駅前広場につながっていて

構造物がさながら竜の骨格のようにみえる開放的な空間を作り出しています。




◯環境性能、受賞

実はこの香港環球貿易広場はデザインに優れているだけでなくその性能の面で世界的に評価の高い建築でもあります。


1969年に設立された、高層ビルの設計・計画・管理に関する協議を行うCTBUHという国際NPOがあるのですが、そのCTBUHがその高さやデザインに目のいきがちな高層ビルの評価に警鐘を鳴らす形で新たにパフォーマンスアワードというものを2014年に設けました。

この賞をはじめに受賞したのがまさしく香港環球貿易広場です。


これだけの規模のビルにあって、全館の建築設備のエネルギー効率を一元管理して、各テナントにおいてもその管理を徹底して万が一、性能が基準値を下回った場合には設備の入れ替えを行う、というルール運用をしたことでCTBUHの90%という努力目標水準に対して98%という驚異的な数値を残したことが評価されたとのことです。


CTBUH 高層ビル 都市居住協議会 国際NPO

performance aword エネルギー効率、経済性、周辺への影響も含めた環境性能から評価


デザイン的なかっこよさ、単純に建築物としての高さだけでなく高層建築においても環境への配慮が問われる段階に入った、ということはこれから更に都市が高層化していく中では非常に興味深い動きですね。


そういった意味でも今回ご紹介した香港環球貿易広場は1つのモデルタイプとなることでしょう。





では最後に、香港環球貿易広場の印象的な写真をハイライトでご覧ください




はい、ということで今回は以上となります。

いかがでしたか?

高い建物って見てるだけでワクワクしますよね。

ポッドキャストでは可能な限り言葉で、その魅力を伝えようということで配信をしています。


YouTubeではこの後、建築パースや参考画像を用いたハイライトを用いて

映像をまとめて行きますのでよかったら見てもらえると嬉しいです。


ビジュアル以外の部分でも今回の香港環球貿易広場のように周辺のトピックを調べていくと色々と面白い情報が出てきて、調べてみようかな、もっと知りたいと思ってもらえたのではないかと思います。


感想や質問、この建物について知りたい、といったご意見はコメント欄でお待ちしてます。


これからも世界の高層建築を紹介していくのでチャンネル登録してもらえたら嬉しいです。


では今回はこの辺で、さようなら!


コメント


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