超高層建築の世界#1 天津周大福金融センター
- TheWorldofSkyscraper
- 2020年3月20日
- 読了時間: 4分
更新日:2020年4月11日
SKYSCRAPER’S WORLDへようこそ
管理人のBKBこと、かわさきです。
このブログでは世界の超高層建築を紹介していきます。
今回、ご紹介する【 天津周大福金融センター 】は
曲がりくねった形が特徴的です。
2010年に工事が開始され、2019年に完成を迎えました。
97階建ての超高層建築ですが、その高さは530m(世界8位!)
100階未満の高層ビルとしては世界一のビルとしても知られています。
改めてこの建物の名前ですが、
【 天津周大福金融センター 】といいます。
英語名は【 Tianjin Chou Tai Fook Finance Center 】
ちょっと長いですね。
天津は中国の北京にほど近い都市の名前ですが
この周大福というのが気になりませんか?
周大福:zhou da fu というのは企業の名前です。
香港を拠点とするコングロマリット、つまり
幅広い事業を展開する会社の名前を冠しています。
そんな周大福の事業内容ですが
●不動産業
●ホテル経営
●宝飾品販売
●港湾管理
etc..
とコングロマリットというだけあって様々ですね。
さらに、この周大福金融センターという名前の建物は
同じ中国にもうひとつあります。
それが、中国第三の都市、広州にある
【 広州周大福金融センター 】です。
こちらの高さ530mで天津と並んで世界8位タイの高さを誇る高層ビルです。
ただこちらはこのような箱を積み上げたような形をしているところと
階数、フロアの数が111階建て、といったところで天津とは異なる特徴があります
さて、天津周大福金融センターに戻ります。
天津周大福金融センターがどこにあるか、見てみましょう
天津金融センターは天津市の経済開発区と呼ばれるエリアの北東部に建設されました。
天津経済開発区は英語でTianjin Economic-Technological Development Areaと呼ばれることからこれを省略してTEDA、テダと呼んだりもします。
このエリアは中国で初めての国家級開発区として80年代、90年代ごろから盛んに開発や企業誘致が進められ、工業都市から貿易・金融都市へと変貌を遂げました。
その結果、天津は中国の過去製造業の中心地、ハイテク産業の拠点としての地位を確かなものにしています。
電子産業や新エネルギーの研究所、医療機器メーカーや航空宇宙関連機関の誘致が一気に進んで、高層建築物が一容に並ぶ様子から中国のマンハッタンなんて呼ばれたりもしているんですね。
概要の部分はこれくらいにしておいて、天津金融センターのデザインと機能を見ていきます。
天津金融センターの特徴はなんといってもこのゆらゆらと揺れるようにねじれた起伏のある曲線ですよね
近年、超高層ビルでも曲線を用いたデザインが流行り担ってますが、天津金融センターのこの曲線はカーテンウォールとして単にファサードを飾っているだけでなく、構造部材として機能しているというから驚きです。
内部はというとこのような形で【5つ星ホテル350室/住居300室/オフィス】が配置されています。
そんな天津周大福金融センターですが、その設計を担当したのがSOMというアメリカ最大級の組織設計事務所です。
SOMというのは人の名前から来ていて、創業時のメンバーであるルイス・スキッドモア(Louis Skidmore、ネイサン・オーウィングズ(Nathaniel Owings)、ジョン・メリル(John Merrill)からとっています。
このSOMってすごくて、東京ミッドタウンの全体計画を手掛けていたりだとか、現代の都市型オフィスビルの原形といえるリーバハウスの設計をしていたりしてるんですね。
このリーバハウスは建築の教科書に取りあげられるほど当時、1950年代としては画期的、革命的な高層建築で、彼らSOMは建築の歴史に名を遺した上に、現代においてもこうして世界的プロジェクトを任される権威的なプロ集団だということがわかりますね。
では最後に、天津周大福金融センターの印象的な写真をハイライトでご覧ください
いかがでしたか
高い建物って見てるだけでワクワクしますよね。
それだけでなく、今回の天津周大福金融センターのように周辺のトピックを調べていくと色々と面白い情報が出てきて、もっといろいろ知りたくなったんじゃないかなと思います。
感想や質問、この建物について知りたい、といったご意見はコメント欄でお待ちしてます。
これからも世界の高層建築を紹介していくのでこれからも見てもらえたら嬉しいです。
では今回はこの辺で、さようなら!
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