超高層建築の世界#9 TopTower/トップタワー
- TheWorldofSkyscraper
- 2020年4月23日
- 読了時間: 4分
SKYSCRAPER’S WORLDへようこそ
管理人のBKBこと、かわさきです。
このブログでは世界の超高層建築を紹介していきます。
早速ですが, 今日ご紹介するのがコチラ
トップタワー(シップ・レック)
チェコ共和国のプラハで進行中のプロジェクトですが
その名の通り、大破した船が四角いビルにもたれかかったような高層建築です。
完成すれば135mの高さでプラハで最も高いビルとなります。
旧市街から南西方向にあるプラハ5区のビジネスエリアに
新たなシンボルとして計画され注目が集まっています。
これまでにも世界遺産都市であるプラハでは
テレビ塔のモニュメントやパブリックアート,
そのほか都市景観や周辺環境に影響を与える
建築計画について議論が繰り広げられてきました。
今回のTop Towerもそんな賛否両論ある
開発計画のひとつに加えられそうな予感です。
さて, ship wreckとも呼ばれるこのTop Towerプロジェクトですが
プラハの地下鉄B線で観光の中心駅から7駅, 約6キロの距離にある
ノヴェー・ブトヴィツェ(Nové Butovice)駅にほど近い街区で展開されます。
何より, まさしく壊れた船がそのまま箱型の高層ビルに
立てかけられたようなその見た目に目が行きますが
この最上階は展望台として一般に公開される計画になっています。
360度, 広く見渡せるこの展望台からは,
プラハ城や国立美術館まで見渡せるそうで,
プラハの中心地を外側から見る, という
貴重な体験ができる施設となりそうです。
開発を手掛けるのはTrigemaと呼ばれるプラハのディベロッパーですが, デザインに関してはBLACK N' ARCH(ブラック・アンド・アーク)が担当しています。 このBLACK N' ARCHを主宰するのが
彫像家であるDavid Černý(ダビド・ツェルニー)と
建築家のTomáš Císař(トマーシュ ・ツィーサージュ)の2人です。
このDavid Černý氏は先ほど少し触れたプラハテレビ塔の
「黒い赤ちゃん像」と呼ばれるモニュメントや
「ぶら下がる人」というパブリックアートを手掛けた人で,
今回もメッセージ性の高い造形にチャレンジされています。
そんな奇抜なデザインのTop Towerですが, 主な機能は住居です。
ですからこれも一種のタワーマンションといったところでしょうか。
中層部にアパートとしての仮住まい空間を持ちながら
高層部分は居住用フロアとして設計されるようです。
1, 2階部分の商業テナントを含んで低層部分はオフィスとして計画され,
複合的な文化ホールとしてのスペースもデザインされています。
また, 地下には居住者用のプライベートな駐車スペースのほかに
公的な駐車スペースも併せて開発するなど, 地下鉄駅に近接する
という敷地特性の中で都市の交通機能にも貢献します。
この挑戦的な建築の計画について, デザインを担当した2人は
それぞれコメントを残しています。
まず建築家の Tomáš Císař氏は
「船の部分は住まいとパブリックスペースをつなぐ。
その空間はいずれギャラリーやテラスとして使われるだろう。」
と”船”の空間の可変性, 位置づけを語りました。
続いて彫刻家のDavid Černý氏は
「船は構造的にビルとつながっている。
いずれも単独では立つことができない。
だから船は単なる飾りではないんだ。」
と”船”が単なるデザインでなく機能・構造の面でも
いかに重要であるかを強調しています。
歴史あるプラハという街でなんとも奇抜で
論争を招きそうな計画ですが, このように
デザインを終えて現在は最寄り駅周辺のこの敷地で
建設を進める許可申請の段階に入っているそうです。
順調に進めば2021年に工事は開始され
約3年で完成に至る予定とディベロッパーであるTrigemaは発表しています。
そう遠からざる未来に, この目を疑うようなプランは現実のものとなるのか。
また完成した船の空間はプラハ市民にどう受け入れられるのか。
そういった点で、この新たなランドスケープの行方から目が離せませんね。
では最後に,トップタワーの印象的な写真を
ハイライトでご覧ください
はい, ということで今回は以上となります。
いかがでしたか?
高い建物って見てるだけでワクワクしますよね。
YouTubeではこの後、建築パースや参考画像を用いたハイライトを用いて
映像をまとめて行きますのでよかったら見てもらえると嬉しいです。
ビジュアル以外の部分でも今回のトップタワーのように周辺のトピックを調べていくと色々と面白い情報が出てきて、調べてみようかな、もっと知りたいと思ってもらえたのではないかと思います。
感想や質問、この建物について知りたい、といったご意見はコメント欄でお待ちしてます。
これからも世界の高層建築を紹介していくのでチャンネル登録してもらえたら嬉しいです。
では今回はこの辺で、さようなら!
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